
飲み屋でからんできた男を突き飛ばして殺してしまい、傷害致死で2年間の実刑を受けた三上純一。出所してすぐに刑務官の南郷が訪ねてきて、死刑囚、樹原亮の無実を証明する手伝いを頼まれる。樹原は保護司夫婦を手斧でめった切りにした事件の犯人として捕まったのだが、事件直後のオートバイ事故により記憶をなくしていたのだった。
最後の最後で、本当に何とも言えない気持ちになってしまいました。
法は人間の作ったものなので完璧ではないのだけれど、
でも、これほどまで無力なのか・・・と悲しくなります。
そして罪を犯してしまう人間とそうでない人間との間には
思うほどの差はないのだと気づくと、怖くもあります。
もしも罪を犯したのなら、きちんと裁かれて罪をつぐなって
欲しいと思うのですが、でもその裁きの部分に焦点をあててみて
全ての情報が法廷で出そろうとは限らない
出ていてもその裏にある事柄への判断がまちまちとなると
そんなに公明正大ではないのかもと空恐ろしくなります。
あと数年で陪審員制度が始まるらしいのですが、
私にはどう考えても人を裁けるとは思えません。
「水戸黄門」や「遠山の金さん」の時代ははるか遠いです。
383P 2001年 講談社 2004年 講談社文庫
第47回江戸川乱歩賞受賞
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