
僕、坂木司の保険会社の同期、吉成哲夫と佐久間恭子。仲はいいのですが、まだ友人の域には入り込んでいません。なので、僕はひきこもりな友人・鳥井真一に会うために仕事が終わると飛んで帰っていることを話していません。そんな折り、佐久間の様子がおかしいと吉成から相談をもちかけられます。いつものように推理してくれる鳥井は、風邪でダウン中です。
ひきこもり探偵シリーズ2弾で、今回は中編3編です。
「野生のチェシャ・キャット」「銀河鉄道を待ちながら」「カキの中のサンタクローズ」
回を重ねるたびに登場人物が増えていくので、3巻目にはいったいどういうことになってしまうのか・・・。木村さん家にこたつをもう1つ入れて集まることになるのか・・・?(笑)
文庫版のあとがきを有栖川有栖さんが書かれているのですが、彼は鳥井のことが嫌いなのだそうです。そして、語り手である坂木くんと一緒に温かく見守っている読者がいたら、別の読み方がある、というしかない・・・ときっぱり言いきっています。へええ、そうなんだー。
確かに有栖川さんが言う通り、「傷つきやすい人というのは実はあっさり人を傷つける」というのは真理だと思うのですが、鳥井にとっては自分以上にというか自分は置いておいて大切な人、坂木くんという存在があります。
今の世の中に溢れている傷つきやすい人って、自分しか大切に思っていない人が多いじゃないですか。
そんな人達に比べたら、私にはずっとずっと鳥井くんの方が理解可能な人物です。
フォビア(恐怖症)について語っているシーンがあって、「人間は理解できないものにこそ恐怖を覚えてる。特に自分の言葉が通じないと知ったときの衝撃はでかい」と言っています。私は虫が怖いのですが、そう、この本に書かれている通り「あいつら、何考えてるかわからないから」です。(苦笑)
自分が何を恐れているのかを認識できただけで、恐怖心は激減しますよね。今は分からない、けど、いつか分かるかも・・・と思えたら、合わないなぁ、ちとしんどいなぁと感じても、つきあいは続いて行くのでしょうね。
恋人にははじまりも終わりもあるのに、友達にはその境界線も瞬間も曖昧・・・。でも、よくよく考えてみたら、きっと友達と思った瞬間、友達になれたと感じた瞬間ってあると思うんですよね。
1.青空の卵 3.動物園の鳥
3巻目が秋には刊行予定だそうですが、早く出て欲しいですー。
306P 創元推理社 2003 創元推理文庫 2006/6
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